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・照葉樹林帯文化とその問題点

H28年4月29日(祝)改稿 H28年1月20日(水)初稿
今日、H28年1月20日(水)は昨年末の大晦日に伊勢神宮の庭燎奉仕(にわびほうし)に参加してきた人たちの報告を聞かせて頂く機会があった。素晴らしい話、面白く興味深い話、いろいろ。年末に電話もらい、ゆく年くる年にも映るというので一生懸命テレビみたけど画面が真っ暗でちょっとわからんかったw 一瞬映ったらしいw
照葉樹林帯文化の3要素
3種類の地図がある。おそらく欠端實(かけはたみのる)の本からのコピーと思われる、照葉樹林帯をあらわすアジアの地図で、うち一つは「東亜半月弧」という名でよんでいる。「東亜半月弧」とは照葉樹林文化のセンターで雲南高地を中心にブータン・アッサムから湖南省に至る範囲。残り二つの地図は微妙に照葉樹林帯の範囲が違ってるがまぁ大雑把な位置は共通で、東南アジアの奥地・中国西南部の奥地から、中国の江南のほぼ全域に広がり、朝鮮半島の南辺をかすめ、フォッサマグナから西の西日本と新潟県、それと房総半島を含めそれより西の太平洋沿岸が含まれる。雲南省の研究者である欠端實(かけはたみのる)の説で40年も前の説。照葉樹林帯文化の特徴としては、
(1)ツバキやシャシャンボの景色。古事記の石之比賣の歌「つぎねふや〜」に出てくるツバキ、サシブ(現代語シャシャンボ)
(2)麹(こうじ)の文化。どぶろく、三輪大社(日本の酒の起源、崇神天皇)
(3)歌垣。(顕宗天皇の章)

アートに表現された照葉樹林帯文化?
『天のうづめの命』とタイトルある絵画の絵葉書のカラーコピーがある、元の絵は83.5×208.8cm、小杉放菴(こすぎほうあん)昭和26年(1951)。おっぱいと腹を出して踊るお多福顔の女性、絵の左の端には巨大な黄金の日輪が描かれている。戦後の日本人を鼓舞するために描いたという。絵のモデルは笠置シズ子。ある人から聞いた話では出光美術館の所蔵だが、それはもともとタンカーの出光丸の中に飾られていた縁によるという。
古事記の世界は、理屈のないおおらかな世界であることが現れていて、それは照葉樹林帯の文化でもある、というようなことをいう人もいるのだが、この絵から照葉樹林帯がどうのまでもっていくのはいくらなんでも飛躍がすぎないか?

問題点
欠端實の説は、良い事づくめの話で結構なんだけど、一つ注意を促しておきたいことは、照葉樹林帯文化論は、あくまでも「該当文化圏に日本も含まれる」といっているだけで、「日本人の先祖が東南アジアなり中国の西南奥地なりからやってきたんだ、あそこがルーツなのだ」というオチには直結しない、ということだ。なぜなら、「文化圏」というものは相対的なものであって、Aという文化圏がルーツだというのならその「A文化圏」のそのまたルーツはどこなんだという話になる。遡っていけば、全世界の文化圏の数はどんどん少なくなっていく。これは物理的にそうなのだ。7万年前のトバ・カタストロフによって人類のほとんどが死滅した結果、現在の人類はわずか1万人にまで減少したとも、または現在の人類は少なくて1,000組、多くても1万組の夫婦から進化したともいわれている。世界の神話、世界の文化はもともと一つのものから枝分かれしたのである。どの段階で日本人になったのかなんて区切りは、人為的・便宜的な線引きにすぎない。なぜなら、文化はちょっとづつ変わるものである時にげろっと別の文化になったりはしないからだ。
照葉樹林帯文化論に依存してあれもこれも説明しようとするなら、それは「気候風土一元論」に陥ることになる。もし日本文化の真髄が気候風土に依存するのなら、日本列島を離れてしまった者は日本民族であり続けることが出来なくなってしまう。昨今のネット言説から察するに保守派若年層はそういう考え方を受け入れつつあるようにも思えるが、そういう発想自体が戦後的であって、けっして戦前的でも明治的でもないし前近代的でも伝統的でもない。そもそも温暖化だの氷河期だのいわれるように気候風土は長い間には変わるもので、それは天壌無窮とか万世一系とかいう「時間に対する超越意識」とは両立しない。はっきり言って「気候が変わってんすけど日本人どうなるんすか?」って問題にぜんぜん答えられていない。ダメでしょこれ。こういうのは70年代に流行って今では嘲笑の的でしかない「農耕民族論」や、今でもネット保守層に悪影響の多い「海洋民族論」と一緒で、アイデンティティー不安に対する心理学的な処方箋にすぎず、学問とは関係のない俗説、与太話だと思われる。当然、歴史(re:既視)の解明や古代の真実とは関係がない。
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