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・UFO(空飛ぶ円盤)と日本神話

H28・6・24初稿
今日、6月24日は「UFO記念日」だか「UFOの日」だかで、正確には「世界UFOの日」というらしい。今年は69周年、来年70周年なので関連団体はなにかおもしろいイベントでもやってくれることを期待したい。この記念日の由来とか、これ以上の情報は各自で適当に検索して下さい。最近は「空飛ぶ円盤」という言い方はめっきり聞かれなくなったが、やはり何といっても味わいのある名前で好きだ。UFOが流行ったのも大昔のことで今じゃUFOといってもおっさんはピンクレディーかヤキソバしか連想せんわw そういう意味では毎年6月24日は今日のめし何にしようか悩まなくて済む日ではあり、ツイッターで検索したらヤキソバUFOの画像あげてる連中が大量に湧いててわろたw で、そのUFO記念日が古事記となんの関係あるのかっていうと、たいして関係はない。けど折角だからむりやり「UFOと古事記」について書こう。
「天の浮船」と神話に出てくる船のいろいろ
古代日本のUFOといえば何といっても「竹内文献」に出てくる「天の浮船」(あめのうきふね)だろう。天の空中浮船、天の空浮船ともいう。古代の天皇がこれに乗って空を飛び、万国を巡行したという。空飛ぶ円盤のようなものなのか飛行機のようなものなのかは不明。この話の真相については後述するとして、他に「天の浮船」に似たくさい話としては、日本書紀に出てくる「天磐船」(あめのいはふね)というのがあり、饒速日命(にぎはやひのみこと)がこれに乗って天からおりてきたという。しかし古事記にはそんな話は無いが、これは古代史マニアには有名なネタなのでいずれ取り上げる。あと、似たくさい名前としては記紀には「鳥之石楠船」(とりのいはくすふね)別名:天鳥船(あめのとりふね)というのが出てくる。これが天神(建御雷神とか)が降りてくる時に一緒に地上にきてるから空飛ぶ船であることははっきりわかる。他に、空は飛ばないが、无間勝間之小船(まなしかつまのをぶね)という潜水艇(?)が出てくる。この他に、古事記では「天之羅摩船」(あめのかがみのふね)、日本書紀では「熊野諸手船」(くまぬもろたぶね)別名:天鴿船(あめのはとぶね)というのが出てくる。が、これらは明らかに海上の船のことな上、あまりUFOと関係もなさそうなので今回は取り上げない。
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竹内文献の「天の浮船」
詳しくは後述するが「フネ」という言葉は、海面の上に浮く物というだけでなく空中に浮かぶ物をも元から含んでいた言葉ではないかと思うので、飛行機やUFOをフネというのはまったくかまわないとは思うのだが、「天の浮船」の出どころである竹内文献は戦前の偽書で、この部分は昭和10年代頃の作り話で、話それ自体は事実ではない。というと、インドの叙事詩にはヴィマーナという神々が乗る飛行機が出てくるじゃないか、という意見もあろう。ギリシア神話には太陽神ヘリオスの乗る空飛ぶ馬車が出てくる。まぁヴィマーナもこういう発想から出てきたもので直接飛行機があった証拠にはならないが、中国の殷の湯王は飛行機を作ったって伝説もあるし、もし超古代文明があったのなら飛行機ぐらいあってもいいという理屈はわかる。しかし古代文明に飛行機や空飛ぶ円盤のようなものが実在したとしても、それが「天の浮船」という名前だったということにはならないし竹内文献が本物だという証拠にもなおさらならない。「天の浮船」という名も、「天鳥船」「天磐船」と『源氏物語』の「浮舟」から思いついて適当に作った名前じゃないの? …というと、「おまえは竹内文献を信じないのか、神様も宇宙人も信じないのか、科学主義に洗脳されたアカデミズムの手先で日帝ヤマト朝廷でフリーメーソンなのかっ!この唯物主義者めっ!」…とは言われないと思うけど(言われたら面白いが)、そんなにいろいろ並べたら、まぁその中では信じてるのと信じてないのどっちもあるよ、そりゃ。といっても、俺もけして夢みるこころを失った暗黒軍団の手の者ではない。UFOも幽霊もツチノコも超古代文明もネッシーもゴジラもウルトラマンも仮面ライダーも万世一系もゾロアスター教もちゃんと信じてるネトウヨ、じゃなかった、善良な一介の町人なのである。ただ、竹内文献と日猶同祖説と後南朝と聖書は信じてないってだけで。だからUFOは信じてますがな、だって見たもん。出た、素朴体験論w「俺は見た」w UFOを初めて目撃したのは物心つくかつかないかの幼児期で、リング型の蛍光灯のような白く光る巨大なUFOが平行な状態を保ったまま斜め上に向かって上昇していくのがみえた。「あれなに?」と周囲の大人に訊くも周りの人はまったく別の方向をみていてUFOに気づいてなかった。小学生になってからの目撃は3回あるがうち2回は複数人でみたから個人の幻覚ではない。昼にみた不規則に動く白いUFO、あれはコントロールを失った気球か風船かもしれない。夜にみたオレンジに光るやつは飛行機のライトかとも思ったが、飛行機としたらありえない動きだった。そして妖怪図鑑にあった「妖怪ワタリビシャク」とそっくりなやつ。みた途端、あれは生き物だと確信したのだがその時の感覚を説明するのは難しい。UFOといえば「空飛ぶ円盤」でエイリアンクラフト説(宇宙人の乗り物説)が有名だが、マイナーなところで「未知の空中生物説」というのもある。古事記に出てくる「鳥之石楠船」も人工の乗り物の船とは限らない。これも生き物のことかもしれないのだ。

ホニツル
並木伸一郎だったか中岡俊哉だったか高梨純一だったか南山宏だったか忘れたが、有名なUFO研究家が書いた子供向けの昔のUFO本には、『ウエツフミ』に古代の天皇がホニツルという乗り物に乗って空を飛んだという話が書いてある、これが古代のUFOだといっていたのだが、大人になってから『ウエツフミ』を読んでみたところ、ホニツルってのは今でいうタンチョウヅル(丹頂鶴)、つまり鶴(つる)のことだった。鳥に乗って空を飛んだという話で、人工の飛行機ともUFOとも関係なかった。子供を騙すのはよくないねw しかしある意味、これは「UFOは生き物だった」説につながるとも考えられる。
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饒速日命の「天磐船」
さて前述の饒速日命が乗ってきたという「天磐船」だが、結論からいうとこれは空飛ぶ船ではない。饒速日命は天からではなく海を渡ってきた。それなら、なぜ「天磐船に乗って空からおりてきた」という話になっているのか? その謎解きも含め、天磐船の話は7月20日(または第3月曜)の「海の日」にでも改めて詳しく取り上げることとし、今回はやめておく。だがそういうと、「なに、天磐船はやっぱりただの海の船で、UFOじゃないってのかよっ! おまえは空飛ぶ円盤を信じないのか、霊魂もあの世も信じないのか、科学主義に洗脳された「と学会」の手先で日帝弥生侵略勢力でイリュミナティなのかっ!このレプタリアンめっ!」…と言われそうだが、まぁ待て。そんなにいろいろ並べたら、その中では信じてるのと信じてないのどっちもあるよ、そりゃ。といっても、俺もけして愛するこころを失った地獄軍団の手の者ではない。UFOも幽霊も妖怪もムー大陸もサンタクロースもナマハゲも妖精のシルフィーちゃんもセーラームーンも教育勅語もデーモン閣下の悪魔教もちゃんと信じてるキモオタ、じゃなかった、善良な一介の町人なのである。ただ、ホツマツタヱと原住民史観とカルマの法則と法華経は信じてないってだけで。だから、俺がこう言ったからといって、「天から降りてきたという神話はすべて海からきたって意味なのだ」、と即断してはならない。邇々藝命(ににぎのみこと)の天孫降臨には「磐船」がまったく出てこないし磐船とは関係がない。邇々藝命の場合は、これは海をわたってきたのではなく、文字通り天から降りてきたという、世界中によくある普通の神話である。これを宇宙人がUFOで降りてきたことをいってるんだという説は今じゃ陳腐すぎて聞き飽きた感じがするが、最初に言い出したのは日本人じゃなくて海外の、確かフランス人だったような気がする。だから日本人は宇宙人の子孫なのだ、と話が続く。そういえば外国のオカルト研究家で、もう何十年も昔の人だが、広島と長崎に落とされた原爆の放射能のせいで日本の子供たちには超能力者が多いとかっていってる人もいて、これもフランス人だったような気がする。(なお『先代旧事本紀』やそれにでてくる饒速日尊についても世間の古代史マニアはいろいろあることないことお盛んなので、いずれ詳しく取り上げるつもりである)

鳥之石楠船は海上をゆく「船」ではない
「天からおりてきた」のは邇々藝命だけではなくて、神話では建御雷神が地上にきた時に、天鳥船神(=鳥之石楠船)と一緒にきている。「鳥之石楠船」という言葉は「鳥が飛ぶように速い岩のように堅い楠(くすのき)でできた船」と解釈する説が一般的だが、「…のように」という解釈を都合よく補いすぎだろう。岩と楠、どちらも素材だとすると岩でできてる「磐船」(いはふね)なのか楠でできてる普通の船なのかわからない。この漢字は当て字で、イハクスという言葉は岩とも楠とも関係がないのではないか。「鳥之」も鳥のように速くではなく、鳥のように空を飛ぶの意味だとすると、イは行くのイかただの接頭辞(「いふ」(言・云・謂)という言葉も元は「ふ」でこれに接頭辞の「い」がついて「いふ」になったもの)で、ハクはなにか羽ばたくとか運ぶと関係ある言葉、スはハクの語尾かもしくは進むのス、あるいはクスはカセ(風)と関係ある言葉ではないかとも思う。別名「天鳥船」(あめのとりふね)もそのまま空に浮かぶ船であって海上の船ではないが、フネはハネ(羽根)に通じ、人工物の船とは限らない。国語学を無視したような素人語源論にきこえるとは思うが、そもそも神話は奈良時代の段階で「大昔からの伝承」になっていたわけで、そこに出てくる固有名詞(?)の類は意味不明な古語になっていたものがいくらでもある。奈良時代までしか辿れない現在の国語学の射程の届かない世界だということを忘れないでほしい(だからって俺が正しいことを言い当てているという根拠にはならないが)。古事記では天鳥船が建御雷神(たけみかづちかみ)とともに地上に派遣されたことになっているが、日本書紀でそれに該当するのは、星神・天香々背男(あめのかかせを)を退治した武葉槌命(たけはづちのみこと)という神である。ハヅチは、陸棲の生き物をヲロチといい、水棲の生き物をミヅチというのと同様に、羽をもった生き物をハヅチといってるのであって、これは空飛ぶ神である。「天鳥船」は鳥そのもの、あるいは鳥の語源は「飛び」の訛りともいうから、飛ぶ生き物、漠然と鳥から昆虫(羽虫)の類まで含んだ言葉だろう。古事記の中で鳥之石楠船が生まれたのは「神生み物生み」の章であり、ここは天地創造に該当し、海の神、山の神、川の神、草木の神が次々に生まれているところ。森羅万象=自然界が形成されていくシーンで、いきなり人工の船がでてくるのはおかしい。例えば、聖書で神が「光あれ」といったら光ができて、次々に海の魚、陸の動物を創造してる最中に神がいきなり「消防車」とか「タンクローリー」とかを創造したらちぐはぐだろう。筒井康隆の小説で、関係ない二つの原稿が混ざってしまったため、主婦が殺した旦那の死体を証拠隠滅しようと台所で解体している話が途中から料理番組の台本になってしまう話があったが、そんな感じになってしまう。だからここの鳥之石楠船は人工物の船ではなくて空飛ぶ生き物をいっているわけよ。
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「うつろ舟」と磐座(いわくら)
生き物といえば、UFOの形状そのものが生命を宿す器をかたどっているとも考えられる。日本のUFOといえば、江戸時代に常陸国(茨城県)の海岸に漂着した「うつろ舟」の話も有名。これは空を飛んだわけではないがその形状からUFO説がある。これが仮にUFOだったとしても江戸時代の話だから古事記とは時代があわない、関係ないんじゃないか、と言われそうだが、しばし待たれい。民俗学的には「うつろ舟」には魂の入れ物、神の籠もる物という意味があるのだ。例えば、瓜子姫伝説の「瓜」というのも瓜から最初の人間が生まれたという神話と関係がある。海外の神話では瓢箪(ひょうたん)や卵から人間が生まれたとか世界が生まれたとかいう。円形、球形の器には何かそういう創造力というか生命を誕生させる力があるとされたらしい。天之忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと)以下の五男神は玉から生まれたのだし、山幸毘古(火遠理命)は「無間勝間之小船」(まなしかたまのをぶね)に乗って(閉じ込まって)海神の宮に漂着した。無間勝間ってのは籠の網目を泥土、油、漆などで隙間なく完全に密閉したもので、普通に考えると海中に潜行するんだから潜水艦みたいに密閉しなければならないのは当たり前だが、折口信夫の民俗学なら、その中に籠ってる間に地上の人間から海底異界の住人(=神)に変身するのだとでも言い出しそう。海神の宮というのは物理的な海底都市の類だったら話は簡単だが、もし神霊界のようなものならば、そこにいくには霊体として体験するしかないから、その間は一時的にそういう存在(≒カミ)に変身しないとならんのかも知れんね。これ自体はまだUFOではないが、UFOが頻繁に目撃されるという場所は付近に磐座(いわくら:巨石文化)だとか、古い由緒のある神社だとかがあったりすることも多く、いわゆるパワスポっぽいところだったりするので、何か関係がありそうにも思える。そうするとUFOは宇宙人の乗り物というより、なにか神霊現象と関係ありそう。むろん現象としては科学的に説明がつく場合もあるんだろうが、何か古代からの土着信仰とも関係していそうではある。

【追記】H28/07/02
この記事はfc2ブログの歴史ジャンル(1,009ブログの中で)の順位75位になりました。いつもかなり上位の方ではあるんですけど(皆さまのお蔭です、いつもありがとうございます)、さすがに二桁台に昇ったのは初めて。おまえらどんだけUFO好きなのよ、『ムー』ばっかり読んでないで宿題ちゃんとしないと将来おれみたいになるぞw
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ばくはつ古事記(旧名「古事記麻邇宇氣」改題) UFO(空飛ぶ円盤)と日本神話

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